「勝手にふるえてろ」綿矢りさ

オススメ度   ☆☆☆★★

学生時代に淡い恋心を抱いた「イチ」

社会人になって告白された同僚「ニ」

ヒロインの妄想で進んでいく恋の物語。

妄想の中ではヒロインは女王様。なかなか辛辣に男どもを批評します。

「イチ」に告白もしないまま社会人になったわけだけど、「会いたい!」と思い立ち、とても強引な方法で同窓会を開催します。そこで「イチ」は同じ東京に住んでいることが判明。これまた強引に「東京で集まろうよ!」と同級生のうちで飲み会をすることに。

同級生のうちでなんと二人きりになっちゃいます。ほとんど話をしたことがなかったけど、趣味がとても合うことを発見。楽しくお話をします。

しかしこの会話の最後でヒロインはとても傷つきます。結局告白をすることなく「イチ」との時間は終わってしまいました。

だけど私には「ニ」がいる。「ニ」は私を愛している。そう思うヒロインですが、「私を愛してるんでしょ!」と投げかけると、そんなんじゃないと。ただ気になるから、もっと知りたいからデートに誘ったと。

そりゃそうでしょう。大丈夫かヒロイン!妄想と現実は違うの。あーあ、「ニ」に着信拒否されちゃったよ。

会社に遅刻して、あろうことか「つわりがきつくて。休職させて下さい」と言ったり。おそらくはヴァージンなので妊娠はもちろんウソ。そんなこんなカオスな世界で小説はラストに向かいます。

綿矢りさのなかではとびきり読みやすい、わかりやすい内容です。綿矢りさのこと気になっている人に是非。

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